2026/04/10 17:38


選んでいるつもりで、選ばされている。

そういうものは、意外と多い。

気づかないまま、増えていく。  
手に持てる数は変わらないのに。

夕方の光が、少しだけ長くなってきた。  
店の前のアスファルトに、影が伸びる。

なんとなく立ち止まって、ポケットに手を入れる。  
中にあるものの形は、もう見なくてもわかる。

それでも、確かめる。

指先に触れる感触だけで、  
選んできたものが浮かぶ。

減らしていくと、残るものがある。  
理由じゃなくて、感覚で残るもの。

言葉にすると軽くなる気がして、  
うまく説明しようとは思わない。

遠回りをすることが増えた。  
急ぐ理由も、少し減った。

そのぶん、見えるものが変わる。

必要だったのは、増やすことじゃなかったのかもしれない。  
最初から、そんなに多くはいらなかったのかもしれない。

それだけでいい、と思えるまでに  
少し時間がかかった。

まだ途中だけど、  
悪くないと思っている。