2020/11/16 09:45

ヌメ革は使い込むことで飴色に変化します。
よく言われるフレーズですが、今回はこの経年変化(エイジング)について書いてみたいと思います。

写真は店主が身につけているブレスレットです。
下に敷いているのが鞣し(なめし)たての昭南本ヌメです。

ブレスレットは制作して3ヶ月くらいですが、かなりの頻度(週3〜4日)で身につけているので、
経年変化が進んで茶色に変化しています。

まず、経年変化が起きやすい条件を書いておきます。
・タンニン鞣しの革であること(他の革でも変化は起きますが、特にという意味で)。
・革の油分:新品時の油分だけでなく、使用者の手などからつく皮脂。
・紫外線:太陽光はもちろん、蛍光灯でも変化します。
・擦れによる摩擦:革表面が適度に布や服などと擦れることで艶が出ます。

こうした経年変化と共に革はより丈夫になります。
経年変化がもたらすことは色の変化だけでなく、汚れやキズに対しても強くなるというメリットがあります。
ある程度以降(3ヶ月くらい)使ってからのヌメ革というのは、経年変化によって、
少しくらい雨や水滴がついても革全体に馴染んでシミになりにくく、
擦れてキズがついても、再び擦れるうちに馴染んでキズが消えていく。
という状態になっていきます。
※もちろん雨やキズについての耐性は経年変化の度合いによりますので、避けるにこしたことはありません。

革製品というのは、使うことが最良のメンテナンスであり、長持ちさせる秘訣であると言えますね。

当店の製品はこうした使用を想定して、製作時に油分補給をしていますので、
まずはそのまま、最初は丁寧にお使いいただければ最低半年くらいは特別なメンテナンスをしなくても大丈夫です。
むしろ、過度なメンテ(合わないクリームの塗布や、頻繁なクリーナーの使用)は、シミになったりかえって革を傷める原因になります。

クリーニングやメンテナンスについては、今後もいろいろ記事を書きます。

お手持ちの革製品、是非ご愛用ください。